作陶、土味へのこだわり
自然練り込み
陶土は、採掘する場所、地層で、
それぞれの特徴と個性は変っています。
焼成のサンプル
下り松原土・電気炉1,250℃焼成
サンプルの高台内には採掘された原土の土の色が出ています。
これは陶芸センター時代に、採掘された原土をそのまま、
手ひねりで水簸をしないで成形し、焼成したサンプルです。
採掘されたときに、同じ地層からも、質の違う陶土が
採掘をされたものです。
このとき、私はこの状態で作品を作りたいと、自然に思いました。
練込みの技法を教わった川端先生は、
古備前の鶴首に見られる偶発的に生まれたものを、
意図的に再現をしたいと考えたそうです。
自然練込みとは、これらに習って制作をしています。
自然に原土が堆積をしていく、自然に習った手法なのです。
練込みに使う原土 原土から、状態の良い物だけを 使うようにします。 |
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練り込んだ状態の原土 組成を崩さないように、 細心の注意を払いながら、 石よりをして、 小石などを取り除いていきます。 |
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練込みの原土を紐状にして 出来るだけ組成を崩さないように 制作していきます。 制作を終えて乾燥を待つ。 |
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素地が乾燥した状態 | |
サヤ鉢内での焼成 自然練込み 酉の香炉 |
焼成にサヤ鉢を使います。
薪窯で薪を、焼成すると、必ず煙、炭素が発生します。
その炭素が、素地の表面に(浸透?吸着?)備前で言う、
シソ色の濃い赤、茶色、黒っぽい色を付けていきます。
サヤ鉢を使わないとせっかくの練込みの土の表情が消えてしまうからです。
サヤ内には藁を入れたり、アクセントをつけるようにしています。
原土の組成を崩しきらないで、成形をして焼成をしていきますので
別の組成、同士が肌別れを起こしやすく、亀裂などのリスクが多く、
歩留まりは悪くなってきます。
しかしながら、原土から生まれた、
作品に土、本来の魅力を感じて、制作に励んでいます。